素材も完成し、放送枠の選定も終え、考査も無事クリアしたら
いよいよ素材をテレビ局に搬入しましょう。
搬入には直接搬入とオンライン搬入の2種類があり、
【基本ルール】【事前作業】と合わせて、それぞれの特色をご説明していきます。
聞きなれない言葉が多く出ますが、テレビCM出稿において非常に重要な工程
なので、最後までお読みいただきたいと思います。
広告会社がテレビ局のCM部へCM素材を搬入する際は、「テレビCM素材搬入基準」に沿っていることが求められます。この搬入基準は民放連の営業委員会と日本広告業協会のテレビ小委員会が共同で定めたものです。
この基準により、素材搬入の締め切り日、留意事項(1素材に1CMのみ収録など)
搬入媒体の種類、CM素材名、CM連絡票の書式、CM素材の返却などに関して
業界の標準的なルールが決められていますが、
ここでは一番大事なことをお伝えする。それは搬入の期日です。
【放送日を含まない4日前までという決まりがあります。】
テレビ局と代理店がスケジュールを組んで進めていくため、
基本的にはミスなく搬入は完了するが、万が一放送できないということになると、
放送事故となり、信用問題になってしまいます。
大金を払った大切なテレビCM、念には念を入れて各企業の担当者も、
覚えておいて損はないと思います。期日が近づいたら全員でリマインドしましょう。これを過ぎてしまうと今までの苦労が水の泡となってしまうこともあるので、
注意が必要です。
番組CMフォーマットの作成
テレビ局では各番組について「番組が何時に始まり何時に終わるのか、番組内に何分間のCMタイムを設けるか、提供クレジットの表示秒数、表示箇所、本編ブロック等」を営業と編成で協議しCMフォーマットを作成します。
番組製作スタッフは番組CMフォーマットに従って番組制作をするため、非常に重要な書類と言えます。
●素材をアイフォンで作った場合、
そのデータを下記のファイルに落とし込まなくては放送ができません。
●落とし込むファイルベースメディア
HDCAM 2018年までメインで使われていたCM素材媒体
XDCAM 2021年7月~ HDCAMから切り替わっていき、今は全てXDCAM
落とし込みが完了したらテレビ局に搬入です。
次の2通りの方法があります。
手動で直接テレビ局に搬入する方法です。
上で説明をしたXDCAMに「素材名」「10桁コード」「ラウドネス」を記載し、
局の搬入担当者に手渡します。
以前までは主流の方法だったが、受け渡しの中継を頼んだ局の営業マンが置き忘れたり、
広告代理店が違う素材を渡してしまうなど、ヒューマンエラーは少なからず起きていました。
また、全国展開などで多数の局に搬入する際は1局ごとにプリント費用も掛かり、
コストがかかってしまいます。
直接搬入をしている企業はすぐに担当の代理店に相談してみて下さい。
昨今のメインはこのオンライン搬入です。
ファイル化されたCM素材をオンラインで伝送する運用は、
CM素材のプリント費などが削減できるとともに、データ管理が容易なため、
ミスが起きにくい。素材の受け渡しなども必要なく、コロナ禍でも安心です。
ただしオンライン搬入には1本6万円以上の料金が必要になります。